クイックチェッククリニック

尖形コンジローマ

尖形コンジローマとは

尖形コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで起こる性感染症の一つです。
「尖形」の名の通り、尖った小さなイボ(突起)が皮膚や粘膜にできるのが特徴です。
主な感染経路は性行為(膣性交・肛門性交・オーラルセックス)で、感染者の皮膚や粘膜に接触することで感染します。
まれに、タオルや下着などを介して感染するケースも報告されています。

  • 男性では陰茎や亀頭・包皮に、女性では外陰部(大小陰唇・膣前庭)に多く見られます。
  • 肛門や尿道、口の中などにできることもあります。

痛みやかゆみなどの自覚症状が少ないため、気づかないうちに数が増えることもあります。
放置するとイボが大きくなり、他の部位にも広がることがあります。

ヒトパピローマウイルス(HPV)について

ヒトパピローマウイルス(HPV)は100種類以上の型が存在します。
尖形コンジローマの主な原因は HPV6型・11型 です。
これらの型はがん化リスクは低いものの、HPVの中には発がんリスクが高い型(特に16型・18型)も存在し、子宮頸がんの約7割を占めます。
現在はHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)によって、コンジローマやがんの予防が可能です。
女性だけでなく、男性の接種も尖形コンジローマの予防効果があります。
尖形コンジローマ自体ががん化することはありませんが、発がんリスクのある型に同時感染している可能性もあるため注意が必要です。

尖形コンジローマの症状

潜伏期間は平均 3週間〜3か月 程度です。
主に陰部や肛門まわりに、イボやブツブツ状の突起が出現します。

初期
米粒のような小さな突起が1〜2個
進行
数が増え、融合して鶏のトサカ状・カリフラワー状になることもあります
色調
灰色・ピンク・白・茶色・黒など
尖形コンジローマの当院症例写真
⚠️ 当院医師撮影(クリックで表示)

※患部の写真が含まれます。閲覧にはご注意ください。

痛みやかゆみは少なく、見た目の変化で気づく方が多いです。
放置すると増大し、治療に時間がかかることがあるため、早期受診が大切です。

他の皮膚症状との見分け方

尖形コンジローマと似た見た目の良性の皮膚変化もあります。
これらは感染症ではなく、治療の必要はありません(希望があれば除去可能)。

名称 特徴 治療の要否
フォアダイス 陰茎や唇にできる皮脂腺。
白っぽい粒状で規則的に並ぶ。
不要
真珠様陰茎小丘疹 亀頭の縁に半透明の小さな粒が
左右対称に並ぶ。
不要

※見た目だけでは判断が難しいため、気になる場合は医師の診察を受けましょう。

尖形コンジローマの治療法

症状の程度や数によって治療方法が異なります。
主な治療法は以下の通りです。

● 外用薬治療(イミキモド:ベセルナ®クリーム)

軽度・初期の症例で使用されます。
免疫を高めてウイルスの増殖を抑える作用があります。
塗布後は必ず洗い流す必要があり、かぶれや赤みが出ることがあります。
効果が現れるまで数週間かかることがあります。

● 冷凍凝固法

液体窒素で感染細胞を凍結・壊死させる方法です。
1〜2週間ごとに通院しながら繰り返し行います。
小さい病変に適していますが、再発のリスクもあります。

● 電気焼灼(電気メスによる切除)

局所麻酔下でイボを直接切除する方法です。
1回の処置で除去できることが多く、広範囲でも対応可能です。
術後のケアを行いながら経過観察を続けます。

どの治療法を選択しても再発することがあります。
治療後は3か月〜半年程度、経過観察を行い、再発があれば早めに医師に相談しましょう。
また、ウイルスの再感染を防ぐため、性行為時のコンドーム使用も推奨されます。

尖形コンジローマの検査

医師による視診が基本です。
必要に応じて、病変部を専用ブラシで擦過して細胞検査を行います。
HPVの型を調べる検査(遺伝子検査)を行うこともあります。

扁平コンジローマとの違い

梅毒の可能性があります 「扁平コンジローマ」は尖形コンジローマとは別の病気で、梅毒(二期梅毒)にみられる皮膚症状の一つです。
主に肛門や外陰部、脇の下など皮膚がこすれる部位に現れ、表面が平らで湿ったような見た目をしています。
梅毒トレポネーマという細菌が多く含まれており、感染力が非常に高いため注意が必要です。
扁平コンジローマの当院症例写真
⚠️ 当院医師撮影(クリックで表示)

※患部の写真が含まれます。閲覧にはご注意ください。

再発予防のために

  • 免疫力を保つために十分な睡眠と栄養をとる
  • 性行為時はコンドームを使用する
  • HPVワクチンの接種を検討する(男女ともに効果あり)
    ※未感染のHPVタイプに有効。
  • 男性は包茎状態により、治療が難しかったり、再発の可能性が高くなるため、包茎手術を同時に行うことも考慮する。

HPVワクチンによる予防

HPVワクチンは、HPV感染を予防するためのワクチンです。
主に女性の子宮頸がん予防を目的として知られていますが、尖形コンジローマの発症予防にも有効です。
近年では、男性への接種も推奨されるようになってきています。
現在は、9価ワクチン(シルガード9®)の接種が主流です。
男女ともに6型・11型をカバーしており、尖形コンジローマの発症を高率に防ぐことができます。

接種対象と時期

日本では 小学6年〜高校1年相当の女子が定期接種の対象(無料)です。
2025年現在、男性への接種は任意接種(自費)ですが、自治体によっては助成制度が始まっています。
性行為を経験する前の接種が最も効果的ですが、成人後の接種にも一定の予防効果があります。

ワクチン接種のポイント

接種回数は通常3回(初回・2か月後・6か月後)です。
既に感染しているHPV型には効果がありませんが、他の型への感染を予防することができます。
副反応は一時的な腕の腫れ・発赤・痛みなどが多く、重篤な副作用はまれです。
ワクチン接種後も、定期的な性感染症検査や子宮頸がん検診は続けることが大切です。

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