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梅 毒


梅毒とは、「梅毒トレポネーマ」という細菌が、粘膜や皮膚の小さな傷口から侵入して感染する性感染症です。
早期に発見し、適切な治療を行えば完治する病気ですが、放置すると心臓や脳などに重大な障害を及ぼす可能性があります。

📈 梅毒患者が急増しています

かつて減少していた梅毒ですが、2011年頃から再び増加傾向にあります。
特に2014年以降は急増し、20代女性の感染が目立つことが報告されています。

【感染増加の背景】

  • SNSやマッチングアプリの普及
  • 風俗産業の多様化
  • ピルの普及による避妊への意識変化(コンドーム使用率の低下)

参照:国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

感染経路

梅毒トレポネーマは、血液・精液・膣分泌液・体液(滲出液)などに含まれています。
コンドームで覆われない部位(口の中など)からも感染するため、完全に防ぐことは困難です。

  • 性行為(膣・肛門・オーラルセックス)による粘膜・皮膚への接触
  • 感染部位(しこりやただれ)とのキスや接触
  • 妊娠中の母子感染(胎盤経由)

症状と進行(4つのステージ)

梅毒は放置すると、数年〜数十年かけて進行します。

第1期(感染後 3週間〜)

感染部位(性器、口、肛門など)に以下のような症状が現れます。

  • 初期硬結: 軟骨のように硬いしこりができる。
  • 硬性下疳(こうせいげかん): 浅い潰瘍やただれができる。※痛みは少ないのが特徴です。
  • リンパ節腫脹: 足の付け根などのリンパ節が腫れる(痛みなし)。

⚠️ 注意点
これらの症状は2〜3週間で自然に消えてしまいます。
治ったわけではなく、菌は体内に潜伏しているため、気づかずに放置してしまう方が多い時期です。

第2期(感染後 3か月〜)

菌が血液に乗って全身に広がります。

  • バラ疹: 手のひら、足の裏、体幹に淡い赤色の発疹が出る。
  • 扁平コンジローマ: 性器や肛門周りに平らなイボができる。
  • その他:喉の炎症、脱毛、発熱、倦怠感など。

この時期も数か月〜数年で症状が治まり、長い「無症候期(症状のない期間)」に入ります。

第3期・第4期(数年〜10年以上)

ゴム腫と呼ばれる大きなこぶが皮膚や内臓を破壊したり、脳や神経、心臓に重大な障害を引き起こします。
※現在の日本では、ここまで進行するケースは稀です。

治療法

ペニシリン系抗生物質の内服が基本です。
病期(進行度)によって服用期間が異なります。

病期
治療期間(目安)
第1期
2〜4週間
(1日3回内服)
第2期
4〜8週間
(1日3回内服)
第3期以降
8〜12週間

※自己判断で中断すると、再発や重症化のリスクがあります。
医師の指示通り、必ず最後まで服用してください。

検査方法

感染の可能性がある行為から1か月以上経過していれば、血液検査で正確な診断が可能です。

検査名
特徴
TPHA法
(TP法)
梅毒の「感染歴」を調べる検査
一度感染すると、治癒しても生涯陽性(+)となります。
RPR法
「現在の感染の勢い」を調べる検査
治療効果の判定にも使われます。

過去に感染歴がある方はTPHAが陽性になり続けるため、現在の再感染かどうかを判断するにはRPR法が必須となります。

予防と対策

🤰 妊娠中の方・パートナーの方へ 妊娠中の梅毒は、胎盤を通じて60〜80%の高確率で胎児に感染します。
流産・死産・先天梅毒(赤ちゃんの奇形や障害)のリスクがあるため、妊婦健診での検査は必須です。
早期に発見・治療すれば、母子ともに健康な出産が可能です。

梅毒は、症状が消えたり無症状の期間が長いため、「治った」と勘違いしてパートナーに感染させてしまうケースが多く見られます。

  • 性行為時はコンドームを使用する
  • 感染がわかったらパートナーも一緒に検査・治療する
  • 定期的な性感染症検査を受ける

当院での検査・治療について
当院では、プライバシーに配慮した血液検査および内服治療を行っております。
「もしかして?」と思ったら、放置せずに早めにご相談ください。

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