クイックチェッククリニック

マイコプラズマ感染症

「マイコプラズマ肺炎」という病名はよく知られていますが、マイコプラズマには100種類以上の種類が存在します。

● 肺炎の原因: マイコプラズマ・ニューモニエ(咳・飛沫感染)
● 性感染症の原因: マイコプラズマ・ホミニス / ジェニタリウム

性感染症となる2種類は、性行為を通じて感染し、尿道炎や子宮頸管炎、不妊症などの原因になります。
また、のど(咽頭)にも感染することがあります。

感染経路

マイコプラズマは、クラミジアや淋菌と同様に、性器同士の接触・オーラルセックス(フェラチオ・クンニリングス)・ディープキスなどで感染します。
トイレや浴槽の共有など、間接的な接触で感染することはありません。

2種類のマイコプラズマの違い

マイコプラズマに関する説明画像

「マイコプラズマ」という名前は同じですが、「病気の強さ」「感染の仕組み」「効く薬」が大きく異なります。

1. マイコプラズマ・ジェニタリウム
特徴

明らかな「性感染症(STD)」の原因菌です。
感染力が強く、クラミジアや淋菌と同様に、パートナーを含めた治療が必須となります。
尿道炎の原因菌として10〜25%を占めており、これは淋菌と同等以上の感染率です。
クラミジアに次ぐ主要な原因菌でありながら知名度は低いため、見逃されがちです。

主な症状
  • 男性: 尿道炎(排尿痛、尿道の痒み、不快感)、亀頭包皮炎
  • 女性: 子宮頸管炎(おりものの異常、下腹部痛)、性行痛、骨盤内炎症性疾患
2. マイコプラズマ・ホミニス
特徴

性感染症としての側面もありますが、「常在菌(元々体にいる菌)」としての側面も強いのが特徴です。
健康な女性の膣内にも存在することがあり、体調不良やストレスで菌が増殖して発症する「日和見(ひよりみ)感染」の可能性があります。
※検査で陽性になっても、必ずしも「パートナーからの新たな感染(浮気など)」とは限りません。

主な症状
  • 女性: 細菌性腟症(おりものの臭いが強くなる、灰色っぽくなる)。痛みや痒みは少ない傾向。
  • 男性: 多くは無症状ですが、稀に軽い尿道炎を起こすことがあります。
⚠️ 治療の注意点(重要)
一般的な性病治療薬である「アジスロマイシン(ジスロマック)」は、この菌には最初から効果がありません。
別の種類の抗生物質(テトラサイクリン系やニューキノロン系)を使用する必要があります。

※のどへの感染について
2種類ともにオーラルセックスなどを通じて喉にも感染します。
無症状なことが多いですが、咽頭痛などが起こるケースがあります。
感染に気づかず、パートナーへうつしてしまうことがあるため喉の検査も重要です。

潜伏期間とリスク

潜伏期間:3日〜5週間程度
個人差が大きく、症状が出ないまま経過することもあります。
1回の性行為における感染率は約30%と高く報告されています。

放置した場合のリスク

治療を行わずに放置すると、感染が体内で広がり合併症を引き起こすことがあります。

男性のリスク
  • 精巣上体炎
    (陰嚢の腫れ、強い痛み、発熱など)
  • 慢性前立腺炎
    (排尿痛や骨盤部の鈍痛)
女性のリスク
  • 骨盤内炎症性疾患(PID)
  • 子宮頸管炎、子宮内膜炎
  • 不妊症や子宮外妊娠のリスク上昇

検査について

感染部位に応じて検査を行います。

  • 男性: 尿検査
  • 女性: 膣分泌物検査(生理中は避けて実施)
  • のど: うがい液を用いた検査

マイコプラズマ感染はクラミジアや淋病と同時に起こることも多く、複数の性感染症をまとめて検査することが推奨されます。

治療について

マイコプラズマは自然に治ることはほとんどありません。抗菌薬による治療が必要です。
ただし、近年は薬剤耐性を持つ菌が増加しており、従来の抗生物質では効果が不十分な場合もあります。

当院では、国内外のガイドラインに基づき、効果が確認された抗菌薬を選択して治療を行っています。
必要に応じて、複数の抗菌薬を段階的に使用することもあります。
処方された薬は必ず飲み切り、治療後には再検査で陰性を確認することが大切です。

注意点

  • 尿道だけでなく、のどにも感染するため、両方の検査を同時に行うことをおすすめします。
  • クラミジアや淋病の検査が陰性でも、マイコプラズマのみ陽性となるケースもあります。
  • 感染が疑われる行為があった場合、早めの検査と治療が大切です。
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