

当院の性感染症検査では、マイコプラズマ属(ジェニタリウム、ホミニス)とウレアプラズマ属(ウレアリチカム、パルバム)という、計4つの細菌の検査を行っています。(※以下、種類名を省略して記載します)
これら4つの菌は、性質によって「必ず治療すべきもの」と「様子見でよいもの」の2つのグループに分かれます。
目次
【対象】ジェニタリウム、ウレアリチカム
これらは、淋菌やクラミジアと同様に明らかな「性感染症(STI)」の原因菌として扱います。陽性となった場合は、症状の有無にかかわらず、積極的な抗生剤治療を行うべきと考えております。ウレアリチカムに関しては常在菌で良いという考え方もありますが、強い症状(尿道炎や膣炎)が起きているケースが多いため当院では治療をすすめています。
【対象】ホミニス、パルバム
一方で、ホミニスとパルバムに関しては病原性が低く、健康な方の体内にも存在する「常在菌」に近い細菌です。
そのため、特に自覚症状がない患者様には積極的な抗生剤の服用はおすすめせず、経過観察(様子見)をしていただくようにしております。
基本は様子見とお伝えしましたが、実際に当院で検査・治療を行う中で、「ホミニスやパルバムが陽性で、強い症状が出ている」という女性の患者様は少なくありません。
性行為の後、数日して「おりものの量の増加」や「強い悪臭」といった異常を感じてご来院され、検査をすると淋菌・クラミジア・ジェニタリウム等はすべて陰性。しかし、ホミニスかパルバム(あるいは両方)だけが陽性になるというケースです。
実は、ホミニスやパルバム自体が、大量のおりものや悪臭を作り出しているわけではありません。では、なぜ症状が出るのでしょうか?
原因は「細菌性腟症(腟内環境の悪化)」です。
性行為や疲労、ストレスなどをきっかけに腟内の自浄作用(バリア機能)が低下すると、悪臭の原因となる雑菌(ガードネレラ菌など)が異常増殖し、「細菌性腟症」を引き起こします。
ホミニスやパルバムはこれらの雑菌と非常に仲が良く(共生関係)、腟内環境が悪化したことに便乗して、一緒に大繁殖してしまうのです。
つまり、「性病に感染した」というよりも、「腟内のフローラ(細菌のバランス)が崩れた」と考えるのが医学的に自然です。
このように、ホミニスやパルバムによる症状の根本原因は「腟内環境の悪化」にあります。
当院では、患者様の不快な症状をいち早く取り除き、心理的なご不安を解消するため、「細菌性腟症の治療(腟内環境のリセット)」と「ホミニス・パルバムの除菌」を同時に行う治療をご提案しております。
男性の患者様におきましても、「尿道から半透明な分泌物(膿)が出る」「排尿時に違和感がある」といった尿道炎の症状があり、かつホミニス・パルバム以外の細菌が陰性であった場合は、これらが原因となっている可能性を考慮して治療を行います。
当院では、最新の感染症学のガイドラインに基づき、「症状の有無」を基準に最適な方針を決定しています。
ただし、「症状はないけれど、検査で陽性と出た菌が体内に残っているのはどうしても不安」という患者様のお気持ちも十分に理解しております。ご希望される場合はもちろん治療を進めていただくことも可能ですので、診察時に医師までお気軽にご相談ください。